アニメや漫画・時代劇の鑑賞、そして歴史を学ぶ中で日本刀を目にする機会は多いだろう。今回の特集では歴史の観点から日本刀を見たのち、刀を用いた居合道から刀制作、そして刀の魅力の普及まで、刀に関わる人々に話を伺った。
弥生時代以降、大陸から日本刀の祖先となる刀剣が渡来。 社会構造や環境の変化とともに形状が変遷し、姿が現在の形になってからも本来の武器としてだけでなく、まばゆくも美しい、神聖なものとして扱われてきた。笹生教授の日本刀に対する「日本の2000年の歴史における技術革新の結晶」という言葉からは、日本刀の刀身に刀鍛冶が研鑽を重ねてきた軌跡が刻まれていることがうかがえる。また、そのような技術的な面だけでなく、継承されてきた日本刀という文化においても、武道という実用の側面、博物館での展示を通じた文化の継承、美術工芸品としての新たな価値の創造といった、刀を扱う人々との関わりが常にあった。このように、刀とさまざまな形で関わってきた人々の歴史を感じることができる点も日本刀の魅力だろう。
世界でも有数の優れた刃物と称され、奥深い歴史と魅力を持ち、この国の文化の一つでもある日本刀。今回の特集をきっかけに1人でも多くの人に、日本刀へ興味を持ってもらえたら嬉しい。
(木村陽南詩)



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