大学のAI使用、活用の場面を取材しました。

▼AI社会で生きるために
近年、急速に発展してきている生成AI。AI に頼めば物事を効率よく行うことができる反面、使う側には相応の責任が伴う。特に私たち学生はレポート作成などの場面でそれが求められる。今回は学生の生成 AI 使用における重要点について成蹊大学アカデミックサポートセンターの松本さんと佐藤さんに取材を行った。
生成 AI でのレポート作成は正確性や独自性が争点になる。同センターによれば、生成 AI はもっともらしい表現で事実とは異なる内容を生成してしまうことがある。つまり、精巧な嘘を生成することもあるため、出力内容をそのままうのみにするのは極めて危険だ。また、生成 AI の別の懸念点として、著作物の盗作などの悪用につながるリスクも否定できない。既存のデータを学習元にする性質上、意図せず他者の権利を侵害する恐れがある。AI が学びを豊かにする可能性は大きいが、誰かの研究や技術への敬意を忘れず、学びの主体が自分であることを忘れないことが大切であると二人は説明した。
松本さんと佐藤さんは、AI をうまく使っていくコツは「得られたアドバイスはそのまま受け取るのではなく、必ず事実確認やクロスチェックを行い、その情報を材料にしてさらに自分で考える」ことであると話す。その上で「考える→人に相談する→確認する→また考える」というサイクルを回すことが、AI に任せきりにせずに AI と共に自身の思考力を高めていくために重要なようだ。
私たちは便利なものほど、その効率性ゆえにそこへ頼りがちになってしまう。生成 AI の精度の向上は著しいが、不完全な部分もまだ多い。だからこそ、関心のある物事に対して、思考をすることをやめないことが大切である。AIとの向き合い方について、今年度も同センターが実施するAIミニレクチャーのようなイベントなどを活用して学んでみるのもいいだろう。
(宮部惺至)
▼開発支える 生成AIの活用法
学生の間でも身近な存在となった生成AI。多くの学生が日常的に生成AIを使用しており、その活用方法はさまざまだ。今回はプログラミングサークル、PeachTechの代表を務める、計良夏輝さん(理工3)にアプリ開発における生成AIの活用について話を聞いた。

同サークルは本学の大学生を対象にプログラミングの活動やその支援を行う団体であり、ウェブ系分野での交流・情報交換ができる場として、2022年に設立された。現在では、投稿系プラットフォームや3Dゲームといったアプリ開発に加え、企業とのコラボ企画など多様な取り組みを行っている。団体で活動しているため、各々が得意分野の知識を共有し、教え合えるという利点がある。ゼロからプログラミングを勉強したい学生には最適の環境だ。
加えて同サークルでは、生成AIを利用したアプリ開発が行われている。近年の生成AIが保持している情報は多岐にわたる。開発者が専門外の分野であっても、AIを用いることで幅広いアプリ開発に着手することができる。しかし、人間による下調べやデータ分析は必要であり、AIの回答への軌道修正といった確認作業などの工夫を要する場面もある。また、生成AIにはその種類によって得手不得手が存在する。そのため、使用時には情報の真偽を確認する意味も込めて複数のAIが用いられることが多い。AIの利用で大切なことは、自分が納得するまで改善を重ねることだという。
計良さんは「最終的に開発の責任を負うのは人間だ」と話す。開発に関わらず、生成AIによって以前よりも気軽に多方面の分野に挑戦しやすくなった。一方で、その際には適切な使用を心がけることも必須である。急成長を続ける生成AIに対して、その変化に応じた活用が求められる。
(中村明日香)



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