本学は 2024 年秋に理工学部エリアの新 11 号館を建築し、文系・理系の学生が交わる施設に生まれ変わった。新 11 号館について教職員、学生の2つの視点から取材を行った。
▼交流生む、新空間
昨年9月に完成した 11号館について、大学教職員はどのように考えているのか。4月よりラーニングコモンズ長に就任予定の法学部の遠藤誠治教授と学内の施設管理を担う管財課の柏木隆志さんに新設の狙いと学生の利用について話を聞いた。
2018年、旧11~13号館の老朽化に伴い始まった理工学部エリアの再開発計画。本学は文理融合のワンキャンパスではあるものの、理工学部エリアと文系エリアが南北で分かれる配置となっており、文系・理系の学生が交わりにくいという課題があったため、学部に関係なく利用できる施設を作ることにしたという。CONNECTIVE・ATTRACTIVE・FLEXIBLE・ECOLOGICALの頭文字をとった「CAFE」というコンセプトのもと、施工会社との話し合いを経て現在の11号館のデザインが形作られた。精密機器などを使用する研究室の高いセキュリティの実現とコロナ禍のような急激な情勢の変化への対応、この先学科や定員の増加が起こったとしても問題のない可変性を持たせることに多く時間をかけたという。

11号館では学生が企画・運営しているイベントも多い。11号館で開催されるイベントに関する情報はラーニングコモンズ「トーリウム」の公式サイトやInstagramで得ることができる。実際の雰囲気を感じるには現地に足を運ぶことが効果的だ。
最後に遠藤教授と柏木さんは学生に対し「まず11号館に一度訪れておのおのの『好きな空間』を見つけ、自分たちで工夫しながら学び合う場として利用してほしい」と語った。新たな学びの場となった11号館。ぜひ利用してみてはいかがだろうか。
(酒谷莉奈)

▼ラーニングコモンズ 多様な活用方法
学生が共に学びを深める空間を目指すラーニングコモンズ。今回はその運営を行う、学生ラーニングコモンズ運営委員会のサブリーダーを務める櫻井豪さん(政治2)にお話を伺った。
櫻井さんは、理工学部のエリアである 11号館を文系の学生も利用できるような建物にするため何か率先してできないかという思いから、委員会への参加を決めた。櫻井さんはラーニングコモンズについて「図書館とトラスコンガーデンの中間のような、騒がしくなく、静かでもない場所」だと話す。
11号館の大きな特徴の一つが、館内の内装だ。教室がなく授業が行われないという特色を生かし、作業をする学生の保養になる色を取り入れたり、他の建物とは異なる木の素材を使用するなど、設備に力を入れている。机や椅子はデザイン性があり、体にフィットするつくりとなっている。
学生に利用してもらいたいサービスも充実している。1階には武蔵野市の店舗の商品が購入できる無人販売所、2階にはレポートや論文を書く際の助けとなるライティングセンター、そして3階にはテラスがある。また、開放的なエリアと仕切りで区切られたエリアが両方存在し、フロアが上がるにつれ静かな空間へと移り変わる。課題をしたり昼食をとったり、個人での作業だけでなく、ミーティングやプレゼンテーションなど複数人での利用もでき、その活用方法はさまざまだ。
櫻井さんは新入生に対して「入学して、息詰まったり戸惑ったりしたら11号館に来てリラックスしてほしい」と呼びかけた。気分転換に立ち寄ってみてはどうだろうか。
(橋本こと乃)
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