日本刀の文化はさまざまな形で現代にも受け継がれており、日本の伝統的な武道である居合道もその一つだ。今回は日本刀を用いて剣技を修める居合道について、60年以上の歴史を誇る本学居合道研修会の主将である鈴木隆大さん(現代経済3)に話を伺った。
居合道とは、敵と対峙した場面を想定しながら、相手を制する動きや形を学ぶ武道である。剣道のような打ち合いの稽古は少なく、基本的に一人で形を練習する。そのため、相手をイメージしながら間合いを測るのが難しく、高度な集中力と想像力が求められる。また、木刀ではなく日本刀を使用するため、金属製の刀身を扱う緊張感とリアリティがあることも特徴の一つだ。実際に日本刀を扱うことへの憧れから、居合道を始めた学生も少なくない。

同会では、日本刀を模造した模擬刀を使用して練習を行っている。多くの部員は初めて模擬刀を持った時、その重さに驚き「真っすぐに振れない」「そもそも刀が抜けない」といった難しさを感じるという。入部後1年が経過すると、それぞれの身長・体格に合った刀を新調できる。新しい刀を用いた稽古では、その美しさに圧倒される一方、今まで使ってきたものと刀身の重さや刃渡りが異なることから、扱いに慣れるまで苦戦する部員もいる。
欅祭では普段の稽古とは違い、真剣を扱った演武を披露する。観客に伝わりやすいような大きな動作を心がけるとともに、模擬刀よりも怪我の危険が高まることを考慮し、緊張感をもって演目を披露している。
鈴木さんは居合道を通じて「着付けなど伝統文化と関わる機会が増え、以前より日本の伝統に関心を持つようになった」と話す。居合道は日本刀の重みや美しさを体感しながら、伝統文化に親しむことができる武道だ。刀の魅力に触れたい人はぜひ一度体験してみてはいかがだろうか。
(中村明日香)


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