2020年度 就職率96.3% 学生間の情報収集・活動の差が拡大

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キャリア支援センターが、2020年度卒業生の就職率を明らかにした。2020年度の就職率は、2019年度から0.3ポイント増の96.3%と高水準を維持。新型コロナウイルスの影響で、就職活動の在り方も変化した。学生間で得られる情報に差が生じ、主体的な行動が求められている。

2020年度は就職希望者1517人に対し、96.3%(0.3ポイント増)に当たる1461人が就職した。学部別では、経済学部が96.7%(1.3ポイント増)、法学部が95.7%(1.9ポイント減)、文学部が96.0%(1.4ポイント増)、理工学部が97.0%(0.1ポイント減)だった。

※()は2019年度比

▼主な就職先
文系男子は三菱電機ビルテクノサービスが最多の7人、日本年金機構と富士ソフトが各5人。文系女子は明治安田生命保険が9人と最多で、三菱UFJ銀行が7人、東京海上日動火災保険と他4社が各4人と続いた。理工学部と大学院理工学研究科では本田技研工業が6人、NTTコムウェア、NTTデータ・アイ、キヤノンITソリューションズが5人ずつだった。

2020年度、文系では男女共にサービス業がトップだった。男子ではIT業界や公務員等の増加と金融業界への就職者数の引き続いての減少、女子では金融業界が減少傾向からやや増加に転じた。金融業界の背景として、ここ数年のメガバンクの採用抑制がある。特に女子の一般職就職者数は2018年度の2分の1、2015年度の8分の1まで減少した。ただし、この影響は落ち着いてきており、本学ではメガバンク以外の金融業界への就職希望も多く、一定の人気があるようだ。理系の学生ではIT業界への就職が群を抜いて多い。社会のIT業界への期待とIT人材のニーズは高まっている。こうした変化と学生の関心の高まりが、IT業界への人気につながった。また、2年連続減少していた製造業への就職者数は増加に転じた。

▼2020年度の傾向
株式会社リクルートキャリアの『就職白書2021』によると、採用予定数を100としたときの2020年度の内定人数は96.8で、2019年度の89.5から大幅に増えた。この背景には、企業だけでなく学生の変化も関係している。昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オンライン形式での説明会や選考を行う企業が急増した。このことで、学生は従来よりさまざまな企業を検討し、多くの選考に参加することができるようになった。オンライン形式では時間や交通費などの負担がなく、心理的にも参加しやすい。オンライン形式の気軽さとコロナ禍での不安が、学生の行動に作用した。しかし、オンライン形式にはコミュニケーションの取りづらさという問題もある。学生には一層柔軟な対応が求められる。

▼キャリア支援センターから
オンライン形式の増加による就職活動の変化に戸惑う学生は多い。従来の就職活動では、企業へ赴いて社風を実感することができたが、オンライン形式では、実際に自分の目で企業を見定める機会が減った。

新型コロナウイルスの影響により、就職活動の在り方は変化し、学生間で情報の差も生まれている。キャリア支援センターの高野新平事務長は「学生間の情報交換や周囲の様子を直接見る機会が減り、就職活動の進捗に差がついている。常にアンテナを張ることで大事な情報を逃さず、主体的に行動することが求められてきている」と語る。

自己理解や業界理解等、就職活動ですべきことは多い。本学の対策講座や個別相談など在学生だからこそ受けられる支援や環境を利用し、積極的に行動することが重要だ。

(川船英紀)

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