国際共創シンポジウム 開催

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国際共創学部の開設を記念し、5月30日、本大学4号館で国際共創シンポ ジウムが開催された。本イベントでは 表現の自由を守り、マンガ文化を支える必要性が学生らに呼びかけられた。

シンポジウムでは「マンガ文化」をテーマとした、講演と討論が2部構成で行われた。第1部では成蹊大学法学部OBで集英社取締役相談役の堀内丸恵氏による基調講演が、第2部では文化部OGで文化庁参事官付芸術文化調査官として活躍している椎名ゆかり氏を交え、「海外とマンガ」をテーマに討論が展開された。

▼第1部 基調講演
第1部の基調講演では、1975年に本学法学部を卒業した堀内氏が自身の大学生活やキャリアを振り返った。学生時代に映画館や美術展に数多く足を運んでいたことで美術書を作りたいと思い、集英社に入社した。自身のキャリア選択については、「知名度や福利厚生で会社を選ぶのではなく、自分のやりたいことや興味を持てることなら長持ちすると考えたら出版社になった」と、その選択は50年以上経った今も間違っていなかったと語った。

入社当時は希望外の『少年ジャンプ』に配属された。最初はやる気がなかったものの、当時「マンガの神様」と呼ばれていた手塚治虫氏の担当となり、命がけで作品と向き合う姿を見て仕事への姿勢を改めたという。

また、学生時代に得られた知見として国際法のゼミで山本草二氏から学んだ「国益と国益のぶつかり合うときに大事なことは、自分たちと相手の言っていることの違いを認識し、その中で共通点を見つけ、それをどう埋めていくかの話し合いだ」という言葉を挙げ、会社や個人同士のやり取りで大いに役立ったと回想した。

海外で事業を展開してきた経験から、堀内氏は語学を学ぶ必要性を説くと同時に「相手の歴史や文化への理解は勿論必要だが、自分側の歴史も知らなければコミュニケーションは図れない」と語る。そのため、時間に余裕がある学生たちに向け、何か一つ語学を身につけるとともに、専門分野外であっても自分たちの歴史や文化も学んでいくことが大切だと訴えた。

最後に、キャンパスで過ごした4年間を「すごく大事で貴重ないい空気を吸っていた」と振り返り、「『個性の尊重・品性の陶冶・勤労の実践』という建学の精神が、今になって本当に大切なことだと分かった」と話した。

▼第2部 パネルディスカッション
第2部のパネルディスカッションでは、日本のマンガやアニメが数年で国境を越える文化となった契機として、コロナ禍におけるアニメ配信の普及が挙げられた。自粛期間中に配信に触れた世界中の人々が日本のアニメに親しみを持ち、それをきっかけに原作のマンガにも関心が広がった。コロナ禍以降、海外でマンガ人気の急速な高まりに対し、椎名氏は、「これは日本の出版社の努力に加え、他メディアの影響を強く受けた結果だ」と語った。

また同パネルディスカッションでは、2019 年に実施された大英博物館でのマンガ展についても言及された。堀内氏はマンガ展の影響を受け、多くの人が漫画家の作品に興味を持つ大きなきっかけになったと話した。

椎名氏は、大衆文化であるマンガが権威のある美術館に展示されたことで、マンガに新たな価値が付与されたように感じられると語った。

本イベントでは国際共創学部の藤原均教授による挨拶もあり、「伝統的なリベラルアーツや国際性を引き継ぎつつ、先輩方が引き継いでくれた知恵に磨きをかけて次の世代に色々なことをつないでいきたい」と述べた。

多様な価値観が交わる場として、今後の展開に期待したい。

(森奏響)

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