11月20日から22日にかけ、文化会成果発表会が開催された。欅祭の中止を受けて企画され、オンラインで公演・展示を行った6団体を含む20団体が参加した。在学生や教職員、参加団体の招待者が延べ429人来場。構内でイベントを盛り上げた3団体に、当日までの準備や今後の活動について取材した。
▼茶道部
同部は9月に活動を再開。飲食物を扱うため、消毒や換気を徹底するほか、茶碗に触れる人数をできるだけ減らすといった感染対策を講じた。

本イベントでは、21日に8号館505教室にて抹茶たて体験会を開催。未経験者でも気軽に参加できる和やかな催しとなった。例年の欅祭では、部員が抹茶とお菓子を振る舞うお茶会と、体験会の両方を実施していた。今回は感染拡大防止の観点からお茶会を開けなかったが、来場者がお茶のたて方を部員から教わり、自服する形式の体験会を行った。
体験会は飲食を伴うため、開催の許可を得るまでには、道具の管理やマスクの着用など多くの課題があったという。部長の山形航大さん(政治3)は「本イベントへの参加を決めた時に考えていたものよりも、かなり簡易的になってしまった」と悔しさをにじませた。同部は、これまでもSNS上で稽古の参加受け付けや積極的な情報発信を行ってきた一方、本格的な活動再開はできていない。イベント後に再び課外活動が禁止され厳しい状況が続くが、段階的に普段の活動に戻れることを願う。
(勝見季紘)

▼フォークタウン
2日目、6号館地下1階の多目的ホールでは軽音楽団体フォークタウンのライブが行われ、15組のバンドが参加した。感染症対策としてボーカル以外はマスクを着用し、バンドが入れ替わるたびにマイクを消毒。観客は立ったり歓声を上げたりはせず、拍手や拳を振るなどして盛り上げた。
前期から多くの入部希望者がいたものの、対面での活動を再開できたのは10月中旬。例年6月に実施される1年生にとっての初ライブも行えず、今回が本年度最初の公演となった。新入部員の谷垣拓実さん(国際文化1)は「練習を通して、初対面だったバンドメンバーとの関係を築くことができた」と振り返る。
ライブに出演した新入部員にはバンド経験があったが、不参加の部員には未経験者も多い。経験者と未経験者が直接関わる機会が減った中で、どのように指導やアドバイスをするかが今後の課題だ。本公演を機に代替わりも行い、新たなスタートを切った。例年と異なる状況ではあるが、ライブを楽しむことを第一とする部の雰囲気はこれからも受け継がれていく。
(梶原万穂)
▼映画研究部
21日、22日には8号館203教室で、同部による自主制作映画の上映会が開催された。欅祭が中止となり一度は制作を断念。急きょ開催が決まった文化会成果発表会に合わせ、約1カ月という短期間で2作品を作り上げた。これらの撮影には、10月に行われた撮影体験会を経て入部した1年生も参加した。

2作品のうち『ルービックキューブ』は1年生が主体となって完成させた映画だ。吃音症に悩む主人公の慎之介が、1人の友人との出会いをきっかけに大切なことに気付くというストーリー。主人公のモデルは、監督・脚本を務めた渡部拓人さん(政治1)の高校時代の友人だ。渡部さんは初めての映画制作について「仲間と協力して取り組むことができ、達成感を得られた」と手応えを語る。今後も、社会性を持った作品や立場が弱い人の救いとなる作品を手掛けていきたいという。
例年通りの活動ができない中でも、リモートでの動画作成や「密」を避けた映画撮影など、工夫して活動を継続してきた映画研究部。新型コロナウイルスに負けることなく作品を撮り続ける彼らの今後に目が離せない。
(高梨翼)
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